2026/10/01
第1章 マイクロ波加熱の研究

マイクロ波抽出装置を開発したきっかけは、2002年に開設された技術研究室(現在のエコイノベーション推進部)まで遡ります。開設された当初は人員2名で、高知県工業技術センター敷地内にある企業化支援センターの1室を借りて、高知県工業技術センターと共同でマイクロ波加熱の研究を開始しました。
最初に取り組んだのは、強力吸引作業車で収集運搬する「汚泥の減容化」でした。当時、車載化を想定していたので、加熱源はボイラーなど火を使う機器ではなく、電気を使用するマイクロ波に着目しました。また作業の安全性を考慮して、汚泥の温度が上がり過ぎないよう「真空乾燥方式」を採用しました。
先ず調査したのはマイクロ波発生装置で、工業用のマイクロ波発振機は性能を保証するため高額のものが多いことが分かりました。そのため、当時は研究予算が少なかったので、家電量販店で安い電子レンジを買って、マグネトロンと呼ばれるマイクロ波発生器を取り出して、バケツくらいの大きさの実験装置1号機を試作しました。その後、マグネトロンを8個取り付けた2号機を製作し、研究をはじめてから約2年、汚泥を効率よく脱水する真空乾燥技術の開発に成功しました。しかし、汚泥を効率よく減容化できても、汚泥自体には付加価値がないため処理コストが合わず、強力吸引作業車への搭載は実現しませんでした。

